夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

再入院・5 〜グレン手術前日〜

午前中

朝一番でカテーテル検査をした箇所の消毒などをしてもらった
昨晩から、鼻の穴の中に塗る抗菌剤?の軟膏を塗っている
術後の感染症を防ぐ為、予防的に塗っているのだという

本日は外科手術の執刀医の先生のインフォームドコンセント(手術の前に行う説明)が夕方に、午前中はレントゲン撮影などがある
はる君も機嫌良く、ニコニコお友達と遊んだ
病棟にあった便利帳(付き添いのお母様達に代々引き継がれてきた)がボロボロだったので、100均で買ったファイルに入れ替え
すっきり

アウトサイダーアートっぽい素敵な絵画が小児病棟の壁に飾られているのだが、それらが21トリソミー(別名ダウン症候群)の子ども達の手によるものだという事を、便利帳にスクラップされていた新聞記事から知った
へえ!
それらのカラフルな色彩は天井にも施されており、コット(赤ちゃんを運ぶキャスター付きベッド)に乗せられて移動する赤ちゃんは、天井を眺めて楽しめる
天井に絵、本当にこれは素敵なアイディアだから、全国の小児病棟に採用して欲しい
(わたしが知らないだけで実はもうどこでもやってるのかもしれないけど)

病院のクラークの方が、執刀医の先生の手術が長引いていて、インフォームドコンセントが遅れる旨伝えに来た
時間があるので編み物の練習

まだ下手なんだけど

午後

旦那と部屋で待つ
昨日までは病棟に空き部屋があったが、10時〜午後にかけて何組ものご新規の入院があるようだ
病棟が満床になった為、一度泊まっているスペースは明け渡すことになった

午後、はる君の機嫌が急降下して非常に困った
母乳もいつもの半分くらいしか飲まない
何か勘付いたんですかね?
旦那の顔を凝視してニコニコしていたので、病棟ぐるぐるを替わってもらう

16:40 インフォームドコンセント

執刀医は前回と同じ、というか初回手術をしてくれた方が今後もずっと執刀してくれる(執刀医の先生は尊敬を込めてBJ先生(仮名)と表記する)
ドラマか、漫画か!とツッコミたくなるようなふたつ名を実際に持っていてすごい
今まで生きてきた中で「人呼んで◯◯」と現実世界で言われてる人に初めて会った

職人の雰囲気漂うBJ先生に今回言われたこと

  • 今回、上半身を人工心肺につなぐ(グレン手術は上半身の血液の流れを変える手術なので)
  • まず、新生大動脈のねじれを直す
  • ねじれの解除は心肺停止状態で行う
  • その後、肺から心臓へ戻ってくる血管をカットして上半身へ直接流れ込むようにする
  • 右室-肺動脈のシャントは残す可能性が高い
  • グレン手術に必要なのは三要素
    • 肺血管抵抗が十分に低いこと
    • 三尖弁の逆流が少ないこと
    • 心室機能が十分強いこと
  • 脳障害、腎障害、肝障害、感染症などのリスクがある
  • 3回目の開胸の為、癒着は相当ひどくなっている可能性がある
  • グレン手術後はいままでと血液の流れが大幅に変わる為、場合によってはやり直しもありうる
2:30 手術前最後の授乳

看護師さんに起こしてもらって最後の授乳

まだ夜明け前
脈拍135
SpO2:77%