夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

PICU3〜5日目【防災の日】

今週のお題「防災の日」

はる君が退院した日、都内であの東日本大震災を経験したわたしは、たった1つだけだけど防災対策をした。

■外出する時は1日分の薬を常に携帯する

そんな簡単な事、わざわざ対策って言える程の事じゃないか。
持病で毎日服薬が必要な方にとっては常識かもしれないけど、知らないと出来ない事なので念のため。
そして、心臓がどうなっているのか、言葉と図で説明出来るようにもしている。

はる君が自分の足で歩いて、自分のかばんを持つようになったら薬は本人に持たせる。
最終的な目標であるフォンタン手術は、はる君が物心つく前に終わってしまうけど、自分の心臓の事は小さいうちから教えておきたい。

……ひとりで歩く日か、楽しみだね。

PICUの防災対策

看護師さんに、震災で停電になったらどうなるの?と聞いてみた。
「緊急時はPICUを含めた集中ケアユニット全体(ICU等)2日分を丸々まかなえる発電機があります。
はる君のベッドも、急な停電に備えて、電源はメイン以外に2箇所からとってます。データの引き渡しも可能です」

との回答だった。

気になったので厚生労働省のサイトをてきとうに調べてみると*1

  • 専任の医師が常時勤務している事
  • 看護師の配置は常時3対1以上
  • 1床あたり7平方メートル以上バイオクリーン・ルームであること
  • 救急蘇生装置等の装置及び器具を常時備えている
  • 自家発電装置を有し、電解質定量検査、血液ガス分析を含む必要な検査が常時可能
  • 当該治療室に勤務している医師は、当該治療室、中間室、回復室以外での当直をあわせて行わない。(一般小児科や正常新生児室の当直兼務不可)
  • 当該治療室勤務の看護師は、当該治療室以外での夜勤をあわせて行わない。

という事なので、全国のNICU・PICUは有事にも自家発電で多少は持つみたいです。

PICUを出る目処が立つ

2016/09/01 はる君一番元気です


ミルクは一回20ccになった。
乳糜胸(にゅうびきょう:開胸手術後に乳糜を含むリンパ液が漏れちゃう状態)の為、MCTミルクという高くて不味い特殊ミルクを与えられていた。
あまりに不味いから一滴も飲んでくれず、経鼻チューブで強制的に飲まされてる。

ベッド上で身体を洗う。傷口に気をつけて洗うの難しいです。
傷口から浸出液が結構出ているそうだ。
わたしなんか、腹腔鏡で盲腸取っただけであんなに痛かったのにね……。
早く良くなってね。

シマノ先生(仮)が来て早々、付き添いが出来るかどうか聞かれる。
えっ
できます!
「はる君、一番元気だから、そろそろ病棟にうつりましょうか」とのお言葉。
イェーイ!
「今日、明日という話ではないのですが……」
そうですよね、でも準備しておきます!

2016/09/02 おっぱい下手な子上手な子

手術をしたのが8/24で、それからずっと母乳を絞って冷凍しているんだけど、直接あげていた時に比べて母乳の産出量が減った。
母乳の産出量を増やすのに一番いいのは、赤ちゃんに頻繁に吸ってもらう事なんだけど、今はそれが出来ないもんね。
搾乳は面倒くさいけど、また直接母乳あげられるまであと少しかな。

ところで、赤ちゃんにもおっぱい吸うのが上手い子と下手な子がいる。多分。
うちの場合は長男あき君=下手、次男ふゆ君=上手、三男はる君=上手だった。はる君は、生後2ヶ月で初めての授乳だったのに、いきなり上手に飲みだす超ファインプレー。
あき君の時は、病院でも哺乳力の弱さを指摘され、その当時は1日18回も授乳していた。そして授乳の合間には搾乳。乳が休まる暇がなかったんじゃないだろうか。忙しすぎて、当時の記憶はない。
今、あの頃に戻れるなら「とっととミルク追加して体重を増やせば、哺乳力が上がってぐっと楽になる」と当時のわたしにアドバイスしたい!

今日のはる君、また襟元に浸出液がしみている。心配。
点滴は3本に減った。

気になっていた、酸素を吸入している事については、
「術後で肺をひろげる為に少量の酸素を吸入しています。数値は安定しているので、在宅酸素はなしでいけると思います。」by Dr.シマノ
とのお返事。
月曜日はあき君の小児神経科医の診察があるので、火曜日以降なら付き添いが出来る事を伝えて帰宅。

2016/09/03 ドレーン抜ける

PICUに着いたら、大きな声で赤ちゃんが泣いていた。
ん、この声は……?もしかしたら……
やっぱりはる君の泣き声だった。
今、PICUで一番大きな声で泣いているそうだ。

今朝、傷口を1cm開いて組織を取って(傷口グリグリ)、悪い菌がいないか培養して確認するらしいのだけど、その時も相当大きな声で泣いてたって。だ、だよねぇ……。
ちなみにその作業をしてくれたのはエノモト先生(仮・イケメン)。終わった後、はる君は見た事もないような怖い顔をしてエノモト先生を睨んでビビらせていたそうで。正直、その顔見たいぜ。

ドレーンと、尿道カテーテル、点滴が抜けた。
だから、また抱っこ出来るようになったよ!
この日は面会の間、ほとんど抱っこしていた。

これはお食事風景(経鼻チューブでミルク注入)。なんとも味気ない。
昨日聞き忘れたけど、ミルクは一回60ccまで増量!まだMCTミルク。
このMCTミルクは高価。医療費は乳幼児医療証で患者負担は¥0だけど、食費は自費なのである。6月分の明細を見たら負担分は¥32400となっていた。
今回の入院からは小児慢性*2の受給者証を使用するから、負担金は国から補助が出る。ありがたや……。

意外にお顔はふっくらしてる?と思ったら、グレン後にはよくある事だけど、上半身がむくみやすくなるそうで、つまり、ふっくらして見えているのはむくみによるもの。下半身は、水分制限と体重減少のために皮膚がシワシワ。なんて過酷なんだよ。

新しい心臓はどうかな?はる君が喋れれば聞けるのにね。

*1:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000033424.pdf

*2:特定の難病の子どもに対して、国が患者家族の自己負担分を補助する制度http://www.shouman.jp