夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

病棟17日目【玉藻先生】

2016/09/21

小児科キャンプ

わたしとはる君は4人部屋に入院している。
一人3畳くらいの空間がカーテンで仕切られていて、中には赤ちゃんのベッド(大人用ベッド)と、付き添い用ソファ兼ベッド、床頭台(病室にあるテーブルみたいなやつ)が配置されている。
他に3組の赤ちゃんとお母さんと生活しているんだけど、部屋を仕切るのはカーテンのみだから、泣き声どころか、生活音も匂いも筒抜け。
あたりまえだけどね。

最初の数日は非日常感が勝るから楽しいんだけど、その後1週間くらいは慣れない共同生活のストレスでちょっと辛くなる。
2週間経った今はもう、病院で生活する事が日常に馴染んだし、友人も出来るので再び楽しくなってきた。

キャンプみたいだよ!
病気の事で気軽に言葉を交わせる友人が出来た事でストレスが大幅に減った。
病棟にいると、他の赤ちゃんと交流も出来るしね。
退院したらひきこもりになっちゃうかな。

フォンタン術後の話

消灯前、病室に麻酔を担当してくださった玉藻先生(仮名・地獄先生ぬ〜べ〜より)がふらっと来た。
フォンタン術後は、グレン術後よりもずっと体調が悪化するらしい。
付き添いのお母様が手術を後悔する程ぐったりするので、みなさん驚くらしい。
(4〜5年に1人くらい、フォンタン後でもピンピンしてる子が現れて、その時はお医者さんが驚くそうだ)

もちろん、退院する頃にはSpO2が100%に近い身体を手に入れて、見違えるほど元気になるとも言われたけど……。

玉藻先生がお医者さんになった当時は、はる坊と同じ左心低形成症候群(HLHS)は救命がとても難しい先天性疾患だった。
たくさん、本当にたくさんの子どもが亡くなっていたのを見てきたって。

フォンタン手術は比較的新しい技術なのです。
だから、大人になってからフォンタン手術を受けた人もいるし、フォンタン原法で調子が悪くなった患者さんが、改良されたフォンタン変法(TC-PC型)を受けたりもしているらしい。
はる君が受けるのもTC-PC型のフォンタンだ。

玉藻先生は、「悪い子ちゃんには挿管しちゃうぞ〜と言って去った。
挿管……麻酔科ジョーク怖いな!!

悪い子じゃないよ

この日はレントゲンのみで採血などはなし。
のんびりいきましょう!