夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

ICU(修正)1日目

2016/08/26 ICU

昨日の手術の甲斐があって、容態は安定しつつある。
2016/08/25ではる君は4ヶ月になった。

Dr.シマノ(仮)「順調です。」との事。
昨日は「順調です」とは言われなかった。シマノ先生がこの台詞を口にするって事は本当に順調なのである。
PAPは19mmHg。うん…。前よりは下がっているけど、目標値はちょっぴりオーバー。これから安定する過程でまた変動するんだろうか。

■はる君の治療方針

左心低形成症候群はその名の通り“症候群”であり、左心室がほとんど無い(はる君)〜少しはある、等のバリエーションがある(ただし、いずれにせよ心奇形の程度としては全て重度にあたる)。

  • 生後1wで両肺動脈絞扼術→生後3ヶ月でノーウッド手術+両方向性グレン手術を同時に行うという方針
  • 生後1ヶ月でノーウッド手術+BTシャントまたはRV-PAシャント(佐野シャント・佐野手術とも)→生後6ヶ月で両方向性グレン手術を行う方針

おおまかに分けてこの二つがある。

前者は予後の改善を期待しているとの事。体への血流はノーウッド術で再建し、肺動脈への血流はグレン術で確保する。佐野手術はノーウッド後の予後を大きく改善したが、右室にメスを入れてしまうと長期的にみて心室機能の衰えの要因になるのではないか?との仮説から、ノーウッドの時に一緒にグレン手術もやっちゃおう、という事らしい(東大病院等で積極的だった)。
だが、これにも問題があった。3カ月もの長い間プロスタグランディンで動脈管を維持するのが大変、肺動脈のバンディングをはずしても肺動脈が変形してしまい、肺動脈の再建手術が別途必要になっちゃったり、ノーウッドもグレンもそれぞれが循環の形を大きく変化させるものなので負担が大きい……等のデメリットもあったようだ。

はる君は後者。肺動脈に血が取られ過ぎていたので、ノーウッド前に肺動脈を減少させる目的で両肺動脈バンディングも行った上で、低酸素療法も利用した。
この治療方法はベストなのか。他に方法はないのか。最初は何もわからなかった。
いろいろ自分達でも調べたし、分からないところはすぐ先生に質問して、やっとどういう病気なのかはおぼろげながらだけど分かってきたところだ。
わたし達は「はる君はこれ以上ない程、現在受けられる中で最善の治療を受けている」と思っている。
はる君の命を救おうと手を尽くしてくれている、治療チームの人達を心から信頼している。

だから、頼むぜ!戻ってこいよー!