カテーテル検査前説明(2017/10)
カテーテル検査が必要な理由
心エコーや心電図検査は身体への負担が少ない。
カテーテル検査はそれに比べると乳幼児では全身麻酔が必要だし、血管からカテーテルという管を入れるので身体への負担が多い。手術程ではないけど。
ではどうして必要なのか。
左心低形成症候群の段階的手術について
はる君は左心低形成症候群。
一般的な治療方針は、
- 両肺動脈絞扼術*1
- ノーウッド手術(RV-PA conductまたはBT shuntを同時に行う。国内の主流は前者)
- 両方向性グレン手術
- フォンタン手術(現在の主流は心外導管を使用するTC-PC型)
となる。
病院によっては、ノーウッド手術とグレン手術をいっぺんに行うところもある。
左心低形成症候群に限らず、単心室、三尖弁閉鎖や純型肺動脈閉鎖など、最終的に一心房一心室が最終形態になる心疾患は似た流れをたどる。
つまり、初回姑息手術→グレン手術→フォンタン手術。
生まれたばかりの身体は肺高血圧(生理的なもので、だんだん下がっていく。肺が羊水でびしょびしょだから)になっており、肺に血液が流れにくい。
肺にスムーズに血液が流れないとフォンタン手術の循環は成り立たない。
そこで姑息的に手術をほどこし、成長を待って次の手術に進む。
今回の目的
前置きが長くなった。
このカテーテル検査の主な目的はフォンタン手術に耐えられるかの評価ということだ。
ルート
前回、グレン手術前のカテは鼠蹊部、つまり足の付け根の血管からカテーテルを通したけど、今回はプラス首の血管からも通す。
つたない絵で申し訳ない。
上から降りてきて左右にT字路になっている所が「体から左右の肺への道」なので、下からは繋がってないので首から通すしかないんだね。
(やっぱり入院中にイラストまで入れるの無理だハハハ!いつもやってない事を何故しようとしたのか自分でも謎)
インフォームド・コンセント
特に、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験などの対象者(患者や被験者)が、治療や臨床試験・治験の内容についてよく説明を受け十分理解した上で(英: informed)、対象者が自らの自由意志に基づいて医療従事者と方針において合意する(英: consent)ことである(単なる「同意」だけでなく、説明を受けた上で治療を拒否することもインフォームド・コンセントに含まれる)。
wikipedia: インフォームド・コンセントより
主治医のツマブキ先生(仮名)から、カテーテル検査の目的、副作用、考えられる危険、その後のことをうかがった。
まず、前回と同様のカテーテル検査が持つ一般的なリスクの説明。ここでは詳細は割愛。
肺動脈が狭窄している場合はどうなりますか?
→その場でバルーンを入れて、狭窄の解除を試みる。
その場合はカテーテル治療となり、もう一泊入院が必要。
ただ明日を待つ
もしフォンタン不成立なら、わたし達は打ちのめされるだろう。
でも、今までも前に進むしかないから進んできた。
だから多分打ちのめされながらも前に進むだろう。
あきらめか、やけっぱちになってるんだろうか。いや、違う。
今年の春、グレン循環のまま高校生になったお子さまに会ったことを思い出す。
はる君をかわいい、かわいいと言ってくれて、ほがらかで優しいお子さま。
いまも元気にがんばっている。
医療がもっと健康な身体に変えてくれる日がくる。
その日を待っている。
はる君にもあの子のように生きる力があるし、大勢の助けてくれる人がいる。本当に沢山の人が応援してくれてるんだよ。
それは現実世界だけではなくて、ブログを通して表に裏に、言葉で、スターで、実際に会ってくれて、物資で支援してくれて、手作りのお品を差し入れしてくれて、いやもう感謝してもしきれない。
ああ、ナーバスになっている。
仕方ないね。
10/10は4:00に起こされるので、もう、寝ます……。
おやすみなさい。
*1:赤ちゃんの状態によっては不要