夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

コイル塞栓術入院5日目(2017/12)【悪化する】

2017/12/02

夜勤*1

 はる君の不機嫌は続いている。やっぱり今日も眠れず、コット(乳児用ベッド)に寝かせて病棟をぐるぐる巡回していた。病棟の廊下が明るいのもあるが、鼻から吸い込む酸素流量が2Lから3Lに変更されたことで呼吸がしづらいのかもしれない。

 寝不足だ寝不足だと愚痴をこぼしていた3:00am、看護師さんが巡回を代わってくれた。遠くから聞こえるはる君の泣き声で眠れるわけないよ……と思っていたけど、目を閉じて開けた瞬間、朝になっていた。
時計を見たら6時だった。まばたきしたら3時間経過していた。魔法みたい。

治療

 はる君は昨日より体調が悪化していた。酸素飽和度も60前後と低めで推移し、眠りも浅く機嫌が悪い。ご飯は全く食べなくなった。

血液検査の結果

 朝一番に血液検査を受けた。結果(抜粋)は以下。

ヘモグロビン*2 12.6g/dl
CRP 12mg/dl

炎症を示す指標であるCRPが予想外に高い。はる君の身体が炎症を起こしている。機嫌が悪いのも無理はない。しんどいのだ。全然退院できるような数値ではない。

コイルの合併症

 主治医のシマノ先生(仮名)によると、まれにコイルに過剰反応する子がいるそうだ。はる君もその過剰反応する子だったみたい。熱は上がったり下がったり。このままではお家に帰れない。

輸血

 今、カテーテル治療によって血液の成分が壊され(溶血)、血が薄まってしまった状態だ。ヘモグロビンの値も基準値を下回っていることから、輸血をして様子を見ることになった。輸血はゆっくりと1時間に5mlずつ、24時間かけて行われる。

 酸素を運ぶ赤血球が輸血によって増えれば、その分身体に運ぶ酸素の量も増える。それで酸素飽和度が改善されるのを期待する。あとは炎症反応が落ち着いてくれれば良いんだけど。

不機嫌なボーイ

 この日も一日中不機嫌。数分泣くだけで看護師さんが見にくるので、赤ちゃん時代に戻ったように授乳、だっこ、散歩で過ごした。

 夫が面会にやって来たので、リクエストしたサブウェイの野菜上限サンドイッチをもりもり食べた。サブウェイはいい。「野菜上限まで」というと通常量の2倍の野菜を無料で増量してくれる。ただし、味として整っているのは「野菜多め」までだと思う。

 夫がいるうちにやるべきことは、洗濯、食料の買い出し。延長を見越して準備していたのは+1日分だったので、あと3日戦えるように買い出しに行った。1日の食費が1000円未満だと、やはりバランスのとれた食生活は難しいみたい。

完母は大変だ

 はる君、母乳とミルクの混合で育てたかったのに失敗してしまい、ミルク/哺乳瓶を受け付けない子どもになった。
今回は手術ではないので不要だと思っていた、水分のin/outの記録をとらなくてはいけなくなった。ミルクだと飲んだ量をキッチンスケールで測ればいいだけなのに、母乳の場合は(飲んだ後の体重)引く(飲む前の体重)で計算して哺乳量を割り出す必要がある。
はる君がご飯を全然食べないので、カロリーが足りているか把握するためにログを取るのがひたすら辛い。

 特にこだわりがなければ、心臓手術を控えている乳幼児の親御さんは混合で育てるのがベターだと思う。心底辛いのでほんと後悔している……。

付き添い入院って大変そう?

 うん、そりゃあ、まあまあ大変だ。せっかく寝付いた子が他の子の泣き声で起きちゃったり、ロクな食事が摂れなかったり、シャワーは短い時間の枠を奪いあったりね。
シェアハウスというか、合宿というか、ほとんど面識のない人同士が同室の寝台列車というか……。

 でも、入院中に知り合ったご家族と、退院後も連絡を取り合って情報交換したり遊んだりもしているから、大変なことばかりでもない。
いずれ付き添い入院生活のことも記事に起こせればいいな。



 最後に、献血してくださったどなたか、ありがとうございます。また使わせていただきました。手術のとき以外にも、こんな風に治療のために輸血を受けることもあります。はる君、きっと元気になります。本当にありがとうございました。

*1:Twitter界隈で、乳幼児を育ててる親御さんがお子さんの夜泣きに対応することをさす言葉らしい

*2:酸素を運搬するタンパク質。低いと貧血。