一日中考えるのはごはんのこと【病棟10〜13日目】
食欲が出る
2017/04/14(土) テイクダウン後116日目
引き続き、刻んだうどんを主食に食べている。ようやくうどんを50gくらいは食べられるようになった。お出汁の味が好みなのかな。
ごはんが配膳されると、食べたくて暴れるように(!)なった。そう、食べる意欲は十分あるのだ。やっぱり、はる君は食べ物を飲み込むのがとても苦手なようだ。もりもり食べたそうにしているから気の毒。
はる君、(褒めてくれる)ギャラリーがいると食欲が増すようで、病棟のロビーでごはんを食べさせてもらったりしている。
看護師さんや先生が通りがかると、顔を見つめながらドヤ顔でうどんを食べるところを見せつけてご満悦のようだ。面白い。
(はあ〜、ごはんを食べるだけで褒められるなんていいなぁ……)
退院したら口腔リハビリもはじめたい。口腔リハビリは、言語聴覚士が行う嚥下機能の訓練だ。言語聴覚士(ST、Speech Therapy)という名前から連想されるのは、言語/話すことの障害の専門家というイメージだろう。実際は「言語障害」「音声障害」のほかに「嚥下障害」の分野のプロフェッショナルでもある。
(……っていう説明で合ってるかな、ロクパパ(id:noahsartgallery)さん!)
手術前から嚥下の訓練をすることも検討していたけど、フォンタン手術がうまく行ったらごはんをよく食べるようになるかもしれない、と保留にしていた。
こんなに食べることに苦労するのは、人工呼吸器の使用が長期間に渡ったことによって嚥下の機能が低下したからなのか、元々飲み込むのが苦手なのか、それとも両方なのか。
食事中に何度もえづく、吐くなどする場合には、親のがんばりだけではどうにもならないこともあるので、専門家に相談するのもいいかもしれない。
はる君のようにいきなりリハビリというケースは稀だと思うので、まずは地元の保健所や、役所の子育て担当課に。
わたしは人よりもご飯に対する執着が強いみたい。
食べることは生きることだ。
そんなわたしの遺伝子を引き継いでいるなら、きっとはる君もそのうちご飯をもりもり食べるようになるだろう。
そうなってくれるといいな。
きょうの体重
日付 | 体重 | 前日との比較 |
---|---|---|
4/14 | 8026g | +83g |
昨日に引き続き、わずかに増加。
小児病棟の1日
2017/04/15(日) テイクダウン後117日目
この日、書類を作成などの用事をすませ、ベビーカーを持って来るために自宅に一時帰った。はる君は半日お留守番。わたしと離れる時にギャン泣きしていた。
この日は日中の大半を不在にしていたので、今回の付き添い入院のタイムスケジュールなど書き出してみる。
小児病棟の1日(フォンタンテイクダウン術後 ver. )
5:50 はる君起床
6:00 朝の体重測定(オムツ一丁の姿にしてはかりに乗せ、オムツの重さを差し引く)
6:10 病棟巡回(コット(新生児/乳児用のキャスター付きベッド)に乗せるか、抱っこひもで)
- ロビーでDVDを見る
- 通りがかった人に「よっ」と手をあげる
- 富士山チャレンジ(天気の良い日に富士山が見られるので、朝に必ず見に行く。もし富士山が見られたら、その日1日happy!)
7:30 朝のバイタルチェック
- 検温
- 聴診
- 血圧
最初は嫌がっていたが、徐々に慣れた
8:00 朝食&おくすり
9:00 ごちそうさま(1時間はかかる……)
10:00 朝寝
11:30 お目覚め
12:00 昼食&おくすり&バイタルチェック
13:00 ごちそうさま
14:00 昼寝
15:00 お目覚め
15:10 おやつ(プリンはお気に召さない)
15:30 リハビリ
- おすわりの練習
- 足の裏を地面につける練習
- すわったままビデオを見て、スナック菓子を食べる楽しい時間
息子のリハビリ風景です
— CALMIN (@CALMIN_PDH) 2018年4月17日
座位をキープするために、iPadで動画を楽しみながらベビースターラーメンを指でちまちまつまんで食べています
決して自堕落な生活の図ではない pic.twitter.com/3OqmhWcgiR
16:30 おふろ(湯船のあるお風呂場やシャワー室もあるけど、まだ危ないので沐浴室で沐浴)
- チャプチャプ!
- 西日が眩しい
18:00 夕飯&おくすり&バイタルチェック
19:00 こども番組の動画鑑賞
- 今のうちにわたしがシャワーを浴びる(日によっては午前中や午後にはる君が寝ている時にすませる)
19:40 絵本を読む
20:00 就寝
23:45 夜泣き
- 抱き上げると泣き声が余計大きくなる
0:00 バイタルチェック&栄養剤(エレンタールP)注入
3:10 夜泣き
- あまりにも泣き止まないと他の子の迷惑になるので、コットで散歩することもある
- 睡眠薬(トリクロリール)を使うこともある
5:45 起床……(ね、ねむい)
きょうの体重
日付 | 体重 | 前日との比較 |
---|---|---|
4/15 | 7913g | -113g |
便が出なかったので浣腸をしてもらったら、なかなか立派なものが出たので体重もぐっと減った……。
病棟でスキマ時間にやっていること
2017/04/16(月) テイクダウン後118日目
はる君、小児病棟での生活にも慣れてきた。ここ数日は検査もない。はる君がやっていることと言えば、遊んで、ご飯を食べて、お昼寝して、お風呂に入って、寝るだけ。お家でやっていることと変わらない。小児病棟で過ごすのは、はる君本人と付き添う家族が家で暮らす練習を兼ねている。
編み物
昨日外出中に100円ショップで毛糸を買ってきた。グレン手術後に心電図と酸素飽和度のモニターのカバーを編んだが、新型モニターに全て置き換わっていて合わなくなってしまったからだ。
病棟のモニターが新型になってしまい、以前作ったのが合わなくなったので今日はカバーを編みます pic.twitter.com/KhhXx4QygP
— CALMIN (@CALMIN_PDH) 2018年4月16日
本格的なかぎ針編みの経験はないんだけど、インターネットで編み方はすぐ調べられるので、以前入院した時に作ってみた。
久しぶりに該当記事を開いたら、キラキラお目目のはる君がいて「うわぁ〜カワイイ〜〜!!」って声が出た
読書
病院には院内図書室があり、病棟に備え付けの図書目録から好きな本を選んで借りることができる。
今回借りた本はこれ。
年季が入っている
なんと、ヒゲの殿下として親しまれた故三笠宮寛仁親王の妃殿下、信子さまによる料理本。
殿下が召し上がるお食事を妃殿下自らが振舞っていたことも知らなかったし、料理教室を開催するほどの腕前だったことにも心底驚いた。信子妃殿下の祖父は吉田茂氏。そう、麻生太郎財務大臣の妹君でもある。
皇室の方による料理本って相当珍しいと思う。料理のレシピのみならずエッセイ的なエピソードも大変興味深く、皇室の食卓に想いを馳せながらページをめくる手が止まらなくなった。
最大の魅力は料理本として最高に素晴らしいことだ。絶版なのが本当に惜しい。凝った料理もありつつ、あくまで家庭料理として主婦が作る際の目線が丁寧に描かれている。一般家庭でもよくいただくポテトサラダのようなメニューもあれば、ユニークなオリジナルレシピもあって、それが本当においしそう。
寛仁親王殿下が咽頭がんの術後、1日6回食になった際の献立表も掲載されている。凄まじいまでの情熱と愛情がなくてはできないだろう。
きょうの体重
日付 | 体重 | 前日との比較 |
---|---|---|
4/16 | 7813g | -100g |
厳しいなぁ。あまりにも食べないので、しらす干しや海苔、ふんわり名人、かっぱえびせんなどの鉄板食材を病院近くのスーパーで購入してきた。
おっと、「おやつでお腹いっぱいになっているから食べないんだ」みたいなアドバイスは不要だからね!病院の先生、看護師さんでも、はる君にご飯を食べさせるのはすごく難しいことだったんだよ。
はる君、わたしの朝食用のシリアルをぼりぼり食べたから、ひょっとしたらペースト状の食事よりも形があって噛み締められるほうが食が進むかもしれない。
☆ ☆ ☆
はる君の現在の目標
ご飯を一般的な量食べられるようになること