敗血症(PICU18日目)

2018/01/11(テイクダウン後24日目)

　次男を保育園に送って家に帰る途中、携帯電話がなった。はる君の病院からだった。動揺しながら通話ボタンを押すと、電話をかけてきたのは主治医のシマノ先生(仮名)だった。

敗血症

　シマノ先生は、はる君は敗血症だと言った。敗血症……。
www.msdmanuals.com

敗血症は、菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応です。重症敗血症は、敗血症に加えて、感染のために体の重要な器官系が機能不全に陥っているか、体の一部に対する血流が不十分になっている状態です。敗血症性ショックは、敗血症によって引き起こされる生命を脅かす低血圧（ショック）です。

引用元：敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック - 16. 感染症 - MSDマニュアル家庭版

　医療のことを全然知らないわたしでも敗血症は知っている。原因となる菌は同定できていないが、血液検査の結果は敗血症の症状がみられているという。全身の血圧が急激に下がったため、血管を収縮させる薬と強心剤を投与することで血圧は戻ってきたそうだ。引き続き培養検査を行い原因菌が特定できれば、その菌に対して有効な薬に切り替えることができる。それまではる君の体力が持ってくれるかどうかが問題だって言うから、平静を保とうとしたけど無理、涙があとからあとから勝手にあふれてとまらなくなった。

今日のはる君

　薬の影響か、激しくむくんでいた。

人工呼吸器の設定と酸素飽和度

FIO2	90%
プレッシャーサポート	14
換気数	35
SpO2	76%

SpO2…経皮的酸素飽和度、血液中の酸素の値。基準値は100％。
FIO2…人工呼吸器の吸気に含まれる酸素の濃度。

主治医のおはなし

• CRP(炎症反応の指標となるもののひとつ)は10まで上昇した
• ノルアドレナリン、イノバン、カリウム、ボスミンを投与
• 菌の同定ができていないので、菌に対抗する薬剤はフルで使用している(メロペネム、ガンマグロブリン、抗真菌剤)

　電車の中でスマホをいじっていたら、Googleフォトが「一年前の写真を見てみない？」とか通知をよこしてきた。見てみると、一年前のふっくら可愛いはる君がたくさん出てきて、今直面している現実とはあまりにもかけ離れすぎててまた涙が出た。

はる君 pic.twitter.com/m1GKk5obUx

— CALMIN@12/19 takedown (@CALMIN_PDH) 2018年1月11日

　先生はじめ病院のスタッフさんみなさん全力ではる君をなんとか救おうとがんばってくれていて、すこしだけ落ち着きを取り戻した。絶望して取り乱したわたしが恥ずかしい。悲劇のヒロインぶってる場合じゃないわ。まだ大丈夫。ただ、しんどいことはしんどいので、ブコメ＆Twitterでのお返事をすこしやすみます。

電池が切れるまで―子ども病院からのメッセージ (角川文庫)