善行ポイントカード(PICU20日目)

2018/01/13(テイクダウン後26日目)

　次男の熱は36.8℃と平熱まで下がったため、インフルエンザではないだろうと判断し、マスクをつけた上で入念に手を消毒し面会に向かった(結局、この次の日インフルエンザと確定した……一回熱下がったのなんなん)。電車の中で寝こけてしまい、再び降りるべき駅を4駅くらい過ぎ去ったので、終点まで行ってからバスで病院へ。

　乗り継ぎのルートにもよるが、往復で1日最低1000円以上かかるので、交通費も結構負担になってきた。

今日のはる君

　現在の薬は抗生物質、利尿剤、鎮静剤、肺高血圧の薬、血圧が下がった時に強心剤が追加された。ミルクはまだ。

人工呼吸器の設定と酸素飽和度

FIO2	90%
プレッシャーサポート	14
換気数	35
SpO2	80%

SpO2…経皮的酸素飽和度、血液中の酸素の値。基準値は100％。
FIO2…人工呼吸器の吸気に含まれる酸素の濃度。
　昨日と変わらず。

状況：上向き

　本日は主治医の先生は不在だったので、担当の看護師さんに状況をうかがう。

	1/12	1/13
CRP	17.11	8.34

(単位はmg/dl)

　え！？
　炎症反応を示すCRP(C反応性たんぱく)が相当重い数値を表していた。そりゃあ、昨日言葉をにごして教えてくれなかったわけだ……！*1抗生剤が効いているようで良かった。カリウムも静注から内服になったし、血小板などの値も改善しているという。腹水はおととい640ml出ていたのが、昨日～今日にかけては415mlと減っている。ノルアドレナリンとボスミンは今日か明日あたりにおしまいになりそうで、ミルクも今日始まる予定だという。

善行ポイントカード

　敗血症と言われた日、一瞬だけ最悪の結果をむかえることを覚悟した。……一瞬だけだよ。自暴自棄になったわたしに、多くの人が優しい慰めとあたたかい励ましの言葉をくれた。

　またある人は、はる君のために神様にたくさんの祈りをささげてくれた。しかも一人ではなく、何人も、何度も。貴重な時間を費やしてはる君のために祈ってくださり、本当に感謝してもしきれない。

　わたしはこれまでずっとはる君&酸素ボンベと行動していたから、最初の数日は亀仙人の修行後の悟空みたいに身体が身軽だった。だからはる君と行動時にはできなかったことをしている。電車で席を譲る(特にヘルプマーク所有者には可能な限り譲る)、でかいカートを持って階段を昇る人のカート持ちを手伝う、駅で迷っているご年配の方に出口を教える、献血する、とか、ほんの些細なことだ。善行を積み重ねてこころの中のポイントカードが満タンになったら、はる君がおうちに帰って来れるんだ……そんなことを妄想しながら、すこしだけおせっかいを重ねている。

　善行ポイントカードについてはwikipedia:公正世界仮説という考え方がある。

公正世界仮説(こうせいせかいかせつ、just-world hypothesis)または公正世界誤謬(こうせいせかいごびゅう、just-world fallacy)とは、この世界は人間の行いに対して公正な結果が返ってくる公正世界(just-world)である、と考える認知バイアス、もしくは仮説である。
引用：wikipedia:公正世界仮説

　そんなのバイアスだ自己満足だってわかってるけど、でも何かしたい、いても立ってもいられない。何かするならより善いことを。ペイ・フォワード。精神と身体はつながっているから、自分の美徳にもとづいて行動する。それがわたしの誇りを保って元気でいられる方法だから。少々偽善的かな。でもいいのさ。

体調を崩しました

2018/01/14(テイクダウン後27日目)

　前日、平熱まで下がった次男・ふゆ君が再び38℃超えの発熱をしたため、日曜診察可能な近所のクリニックに駆け込んだところ、見事インフルエンザA型との診断が出てしまった。患児を感染から守るために、家庭内で感染症患者が発生した時には面会ができなくなる。ということで、1/14～面会を休んでいる。幸いタミフルがよく効いたのか、次男はすっかり熱も下がり、家の中で元気に暴れまわっている。

　気を付けていたつもりなのに、わたしも嘔吐・胃痛・悪寒のためクリニックを受診した。インフルエンザ迅速検査は陰性だったが、ちょっと疲れが出たみたい。はる君の面会に行けないのは心配だけど、いまさらじたばたしても意味がない。この機会にゆっくり休養させてもらうことにする(遊び盛りの4歳児と一日家で遊ぶの、正直ちょっとしんどいけどね……)。

これは1年前の写真

ペイ・フォワード [DVD]

*1:CRPの正常値は0.3 mg/dl、15mg/dl以上は重度