Overflow(PICU49〜53日目)
覚醒度上昇
本日の面会は夫のため絵本はなし
2018/02/12(月) テイクダウン後55日目
人工呼吸器の設定と酸素飽和度
FIO2 | 37%(前日40%) |
---|---|
SpO2 | 78% |
FIO2…人工呼吸器の吸気に含まれる酸素の濃度。空気中の濃度は約21%
SpO2…経皮的酸素飽和度、血液中の酸素の値。基準値は100%。はる君の現在の目標は75%。
酸素の量が微減
今日のはる君
眠る薬を少々減量したことで、覚醒度があがってきていた。痰を吸引するときに嫌がって両手で看護師さんの手を払いのけようとしていた。
ドレーン抜ける
2018/02/13(火) テイクダウン後56日目
人工呼吸器の設定と酸素飽和度
FIO2 | 35%(前日37%) |
---|---|
SpO2 | 75% |
おお、刻んでいきますね~
今日のはる君
昨日一日胸水が出なかったため、ドレーンが抜けていた。よかった。やっと落ち着いてきたんだろうか。もうこれ以上ドレーンを刺し直すようなことにはなりませんように……。
今日の一冊
- 作者: ディック・ブルーナ,まつおかきょうこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2012/04/05
- メディア: 単行本
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ミッフィーでおなじみの絵本作家ディック・ブルーナの処女作。わたしが持っているのは日本での初版本のため、現行の版とはタイトルが異なっている。
ブルーナカラーと呼ばれる、きっぱりした色使いとシンプルな線は初めての絵本におすすめ!ブルーナの絵本はたくさん出ているので、お好みの一冊をどうぞ。サイズも小ぶりだから外出時にもいい。
「カテーテル検査しましょう」
2018/02/14(水) テイクダウン後57日目
この日も夫が面会。最近は週4でわたし、週3で夫、くらいのペースで面会に行っている。わたしももっと面会に行きたいけど、夫が会いたい気持ちもわかるからね。
人工呼吸器の設定と酸素飽和度
FIO2 | 50%(前日35%) |
---|---|
SpO2 | 70%前半 |
午前中酸素飽和度が下がったので設定を上げたとのこと。
主治医のおはなし
カテーテル検査を行いたいと言われ、もちろん承諾する。
- 肺血管を広げる薬を使っているのは妥当か確認したい
- 術後にSpO2が低下していたので肺血管を広げる薬を使っている
- グレン後に人工血管を追加している
- =肺に血液が流れ過ぎている可能性がある
肺血流の増加が原因だった場合は、肺血流を増加させる薬をやめる。そうでない場合、薬をやめるとグレンからの血流が受け止めきれなくなってしまう
要はカテーテルで肺の血圧や血流量を調べないと次の手がうてないみたいだ。
早ければ来週カテーテル検査をする。
ドレーン刺し直し
2018/02/15(木) テイクダウン後58日目
面会に来たら「処置中なのでお待ちください」と言われ、1時間強待った。
また左胸腔にドレーンが刺さっていた。出血もある。酸素飽和度が下がり、胸水が溜まっていたのでまたドレーンを刺すことになった。「原因がわからない」と言われることが増えた。
今日のはる君
人工呼吸器の設定は昨日と同じ。鎮静がよく効き眠っていた。
今日の絵本
- 作者: 長新太
- 出版社/メーカー: 文研出版
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 大型本
- 購入: 1人 クリック: 52回
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シュールな作風の長新太による、“らしさ”大爆発の一冊。最後の一文の味わい深さよ。繰り返しのリズムと少しのおとぼけ。ブタヤマさん、ご飯食べられたかな。
導尿再度
2018/02/16(金) テイクダウン後59日目
昨日に引き続き、面会に行ったら処置中とのことで待たされる。
人工呼吸器の設定と酸素飽和度
FIO2 | 35%(前日50%) |
---|---|
SpO2 | 70%前半 |
FIOは下がって欲しい。
今日のはる君
昨日までは普通におむつをしていたが、今日はまた尿道カテーテル(管)が入っていた。尿は良く作られているが、なぜか膀胱から出て行かないでパンパンになっていたので、外に尿を出すために再度管を入れたそうだ。長期に尿道カテーテルを入れていた時に、抜いても尿が出なくなる時はしばしばあるようだが、はる君のようなケースは珍しいらしい。
今日の絵本
- 作者: tupera tupera
- 出版社/メーカー: 学研プラス
- 発売日: 2012/07/03
- メディア: 単行本
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古典から一転、tupera tupera*1によるとっても楽しいしかけ絵本。「ぼうしを取ったら、中には何があるのかな〜?」と予想させて楽しんでほしい。
何度も一緒に読み聞かせることで「次はこうなる」と暗記しちゃうんだけど、子どもは「予想する→その通りになった→楽しい!」って感じなので、飽きる事はないと思う。
☆ ☆ ☆
この半年の間に、はる君と一緒に心臓病とたたかってきたお子さんがたくさん天国に召されていった。こんなに短期間に知人の死を、それも幼い子どもの死を経験するなんてことはこれまでにないことで、強い衝撃を受けている。
ものすごく疲れている。常に不安だからだ。脈絡もなく吐く。涙が時間差で出る。頭痛、腹痛。夜は眠れず昼寝する。いきなり寒気を感じて熱でも出たかと思い、体温を測ると35.5℃しかない。極限状態だと思う。精神科の予約を取ることにする。寒い。寒いよ。
わたしは、その子たちの話をしたくてたまらないんだけど、親御さんとも面識があるから、許可を取ってからじゃないと語れないし、子どもを亡くしたばかりの親御さんにぶしつけに許可をもらうのも躊躇する。自分の性格上、もしもはる君が神様のところに行ったら、はる君のこと知っている人には思い出をたくさん語って欲しいと思うだろうけど、そうじゃないかもしれないからね。あと、いざそうなったらまた変わるかもしれないし。
去年、新宿御苑でお友達とお花見……と言いたいところだけど早すぎて桜は咲いてなかった。でも暖かかった。はる君はご機嫌で遊んで、ひとりでス……と寝てしまった。外なのに、しかもぐずりもせずにスヤッ……と眠りに落ちたはる君を、みんな目を細めて見ていた。
こんなにウェッティな日記を読んでくださってありがとう。前にTwitterでこぼしたことがあるんだけど、このブログの目的を究極的に言うとマネタイズでも承認欲求でもない。
はる君みたいに持病を抱える人であっても生きていける社会になって欲しいよ。それまでは死ねない。
*1:育児クラスタならご存知、Eテレ土曜の朝の工作枠であるノージーのひらめき工房のアート担当