夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

小児病棟52・PI再挿入【入院生活57】

PI再挿入

2019/02/14

調子の悪かったPI(末梢静脈挿入式中心静脈カテーテル、肘から心臓の近くまで通している管。PICC、ピックとも)を入れ直すことになった。
午前中の処置だから、朝ごはんが食べられない。


同室の子にはご飯が来たのに、はる君にはご飯が来ない。
「ゴハン、ゴハン」と言いながら悲しい顔をするのがせつない。


なんとかごまかそうとしたが、考え直した。
ごまかすんじゃダメだ。

「ごめんね。処置があるから、ねんねしたらご飯がくるよ。ご飯はねんねの後だよ」と言い聞かせてみた。
多分、意味は通じたと思う。
だって、はる君がひっくり返って怒り泣きしだしたから。せ、せつない。


泣いていたのはわずかな間で、起き上がると「レミー(iPadで平野レミのアプリで遊ぶという意味)」と言って、むすっとしながらも遊びはじめた。
はる君の求めに応じて、「えんぴーちゅ」と言われればお絵かきの道具をセットし、「いないないば」と言われればいなばぁのDVDを見せ、「キッチン」と言われればおままごとセットを出し、極力機嫌を損ねないよう過ごす。


気がつくと、はる君はDVDを見ながら眠ってしまっていた。
まだ9時。トリクロリール(シロップ状の小児用睡眠薬)を使うなら起きててもらわないといけないけど、今回は注射で鎮静するそうで、このまま寝かせちゃおう、となった。
空腹でかわいそうだもんね。


10時、PIの挿入をしてくれる先生が皮膚に塗る麻酔クリームを塗りに来た。
さすがにはる君起きてしまい、また泣き出しちゃった。
何度もごめん。


「エー?アレー?」と首をかしげ「オーイ、ゴハンー」と廊下に呼びかけるのを延々と繰り返している。
あ、ねんねの後にご飯って言っちゃったからだ。もう一回、お薬でねんねなの……。
健気にテーブルで待っているから、先生、早く来て……!!


10:20に処置室に移動し、12:20頃戻ってきた。

前回は左肘〜手先の間にとったので、肘を曲げられなかったけど、今回は右肘〜脇の間なので、いじらなければ両手と両肘が使えそう!

最初「腕でラインが取れなければ足になってしまう」と言われ、リハビリに支障があるので腕でお願いしたいです、と無理を言ってしまった。
だから時間がかかったのかもしれない。
先生、がんばってくれてありがとうございます。



身体を自由に動かせるのが当たり前の人には、こんな気持ちは理解しにくいかもしれない。
命が助かるなら治療の時くらい我慢しなよ、って思うだろう。

わたし達、患者と患者の家族は常に誰かにジャッジされている。
はる君はまだ2歳だから、はる君本人にはほとんど来ない(ゼロではない)。
主に母である発信しているわたしに向けて「この子どもは支援するに値するか」「親の素行は不良でないか」「こんな母親なら残念ながら当然じゃないか」って。


24時間TVで感動ポルノを垂れ流すのはわたしも嫌いだけどさ、24時間TVを感動ポルノって批判する、大多数の障害がない日本人って障害者のことどう思ってんの?
単に責められたくないってだけなら、目をそらさないでよ。