夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

小児病棟56・すこし先の未来のことしか考えたくない【入院生活61】

すこし先の未来のことしか考えたくない

2019/02/18

今日はすこし先の未来、4月からのはる君の療育施設の契約に行ってきた。
はる君が通うのは重度心身障害と医療的ケア児対応、母子活動(親子で一緒に活動すること)のクラスだ。
この施設と契約するのはこれが初めてではなく、自閉スペクトラム症と診断を受けている長男あき君もここに通っていた(あき君の時は母子分離(親子で離れて活動すること)だった)。


個人的な意見だけど、療育が必要な子(発達障害、知的障害)を療育機関に通わせようとするとき、特にお子さんが小さいうちは母子活動の療育をすすめたい。*1

障害のある子を育てようとするとき、「この子とどう接したらよいか分からない」とか「果たしてこの子を愛せるのか」と、密かに悩みを抱える親もいるだろう。わたしもそうだった。

母子活動なら、専門の知識を持った職員が子どもを褒め、かわいがる様子を間近で見られる。
他の親子を見て“自分だけではない”と感じるし、情報交換などもできる。
わたしの場合には、生涯にわたって付き合っていく障害の、受容のはじめの一歩を踏み出したのが母子活動だった。


……なんて偉そうなことを言える立場じゃなかったわ。
すこし先の未来のことしか考えられない。


お子様が左心低形成症候群と診断されて数年経ち、色々知識と覚悟を付けた方だけ読んでほしいページを紹介する。
(医師・医療者向けだけど、インターネットは誰にでも開かれているから、患者もその家族も当たり前のように読める)

成人先天性心疾患の心血管機能 第2報:至適血行動態を目指した左心低形成症候群の治療戦略
日本小児循環器学会で報告された、左心低形成症候群の治療戦略についての文書だ。
神経発達や、脳血流のことも含めた特異な血行動態についての詳細、胎児期から脳血流が減少していることなども書かれている。

今まで病気のことを教えてくれた先生達の言っていたことがより良く分かった。
あえて聞かないと教えてくれなかったことも載っている。わたし達にとってつらいことも。
病院ははる君にとって最善の治療をしてくれるだろうけど、親も何も知らないままではいられない。

そんな訳で、はる君の神経発達/精神発達を促すため、療育に通うことになった。その他、リハビリとこばと園(心臓病児の保育施設)にも引き続き通う。


すこし先の未来のことしか考えられない。
過度に悲観的になったり、過度に楽観的になったりしないように。今のわたしの目線では、はる君の遠い未来を狭めてしまうかもしれないもんね。

まあ、一番近い目標は退院だ。
どうか膿瘍が消えていなくなっていますように!

*1:そもそも選択肢が無いことも多いから、理想論でしかないよね。母子分離の活動をレスパイト(障害児育児の休憩)的に使うのも構わないと思う。