横隔膜ヘルニア手術の説明
6/25にインフォームドコンセントを受けた。
昨日の更新と重複するが、再度図解を入れて受けた説明をまとめた。
インフォームドコンセント【informed consent】
〔説明をうけた上での同意の意〕
医師が患者に診療の目的や内容を十分に説明し、患者の同意を得ること。大辞林 第三版より
注意
医療の素人が、主治医からの聞き取りと自分なりに理解した内容で記事を書いています。正確さの保証はできかねること、個人の体験談であることをご了承ください。
病状について
横隔膜は、胸部と腹部の間にある、呼吸をするために必要な筋肉のひとつだ。
先天性横隔膜ヘルニアは、横隔膜の一部が欠けて、出来た穴から腹腔内にある小腸などの臓器の一部が胸腔内に飛び出てしまう先天性の疾患。
手術に替わる治療法はない。
レントゲン撮影、CT検査で横隔膜ヘルニアの顕在化が疑われ、2019/06/13のエコー検査で胸郭内に腸管ガスの脱出を認められたことにより、遅発性横隔膜ヘルニアという診断がおりた。
横隔膜は胸膜と腹膜にサンドされているイメージ。
完全に穴が開いている場合(上図①)と、腹膜と胸膜はそのままの場合(上図②)がある。
①と②、それぞれ腸が脱出するとこうなる。
はる君の場合、小腸と結腸が脱出していた。
(人によっては脾臓や胃も脱出する)
胸腔内は陰圧になっているので、横隔膜に穴があるとお腹から胸腔に臓器が引き込まれていく。
上図の①なのか②なのかは、お腹を開いてみないと分からないそうだ。
手術の方法
左の肋骨の下を切開し、開腹で行う。
胸腔内に飛び出た腸をやさしくひっぱり出して、穴の大きさの程度を確認する。
穴がそれほど大きくなければ、直接溶けない糸で縫合する(B)。
穴が直接縫えない程度に大きければ、人工布をあてて閉鎖する(A)。
これも実際にお腹を開いてみないと分からない。
出来ることなら人工物を入れるのは避けたいところだけど、大きい穴を無理に縫合すると閉鎖した穴が再度開いてしまうかもしれない。
合併症など
手術には合併症がつきものであり、どういった合併症が考えられるかについても説明を受けた。
- 出血
- 感染症
- 副損傷
- 創感染
- 腸閉塞
- 乳糜胸水(にゅうびきょうすい)
- ヘルニア再発
- 胃食道逆流症
- 胸郭変形
- その他合併症
5.腸閉塞は腸どうしが癒着して引き起こされる場合がある。空気に触れると癒着していくとのこと。
6.実は、はる君は心臓手術の際に乳糜胸水になったことがある。胸のところにあるリンパ管が傷つくことで起こる。脂肪分が全然ない食事をしなくてはいけないんだけど、赤ちゃん時代は脂肪をMCTオイルに置換したMCTミルクを飲む治療をしたなあ……。
9.胸郭変形は意外だった。欠損孔が胸骨に隣接しているので変形する場合があるそうだ。
その他、今回の診療情報データは論文掲載や学会発表などに使用される場合は個人が特定されないようにすること、希望があればセカンドオピニオンを求められること、など説明を受けた。
今後のスケジュール
- 木曜日の昼から食事がストップになる
- 点滴を入れる際に採血をして、血液が固まる能力をチェックする
- 金曜日に手術(手術の時間が確定するのは前日17時以降)
- 土日はICU管理
- 術後、順調なら1週間程度で退院
質問
Q.ヘルニアが根治したら、つぶされていた肺は元に戻りますか?
A.おそらく戻るはずです。肺はスポンジ状になっているので、今回の手術でもそれを期待しています。しかし、痰が出しにくくなったり、それにより肺炎になってしまうかもしれないので、注意して診ていきます。
Q.人工布を使った場合、成長した時にはどうなるんでしょうか?(再手術などあるのでしょうか?)
A.人工布は伸縮しませんが、横隔膜は成長するので大丈夫です。
手術の前に思うこと
心臓以外の手術は今回が初めてだ。
これまで何度も何度も心臓手術を乗り越えてきたから、きっと大丈夫だと思う。
手術後は、はる君を抱きしめることができなくなるだろうから、今のうちに抱きしめておこう。
関連リンク、アプリ
難病情報センター | 先天性横隔膜ヘルニア(指定難病294)
↑オススメ!衝撃イラストがある。
小児慢性特定疾病情報センター|先天性横隔膜ヘルニア
↑先天性横隔膜ヘルニアは小児慢性の対象疾病になっている。申請をすると医療費、食事療養費の補助が出る。
病気の予習と復習に使っている。1〜2年前にセールの時に半額で購入したもの(それでも1500円だったが……)。
インフォームドコンセントに持ち込んで先生に色々聞く時にも便利だった。