夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

受容はゆらぐ

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「障害を受け入れよう」口で言うのは簡単だけど、実際にはなかなか難しい。
もう受け入れたと思っても、次の日には「無理!」と後退してしまうこともある。
行きつ戻りつ、受容というのはゆらぐ。そういうものだと思っている。


いちばん最初に受け止めなくてはいけなかったのは妊娠後期だった。
胎児の心臓に異常があるといってもわたしに自覚症状はなく(当たり前)、忙しくも順調な妊婦生活を送れていると自負していたので衝撃もひとしおだった。
他の多くの母親が経験するように、わたしも自分を責めた。仕事を続けていたからだろうか、兄弟の事で無理をしていたからだろうか、と。
意味がないとは分かっていたけど、犯人探しをやめられず苦しんだ。
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家族の前でこそほとんど泣かなかったが、隠れてよく泣いていた。

それでも悲しみは時間とともに慣れ、薄れていく。ずっと新鮮に悲しみ続けることはできなかった。
妊娠中は障害の受容までは進んでいなかったように思う。
とにかく日々のルーティーンをこなすだけで精一杯で、将来のことをじっくり考える時間的な余裕がなかった(あえて考えないようにしていたのかも)。
いまは障害はなんとなく受け入れているつもりだ。
やっていることははる君が産まれる前と変わらない。毎日をただ過ごしているだけ。


色々思い返すと、やはり一番の衝撃は妊娠中に心臓の奇形がわかったときだったと思う。
二番目に苦しんだのはフォンタン・テイクダウン(根治手術がうまくいかず、一歩手前に戻した手術)の時だ。命の危機でもあったので。

わたしを支えたのは周囲のあたたかいサポートと、自分で書いていたこのブログ、それからブログ経由で励ましてくれた多くの優しい方々だった。
ブログに心情を吐露することで自分を俯瞰して見る目が持てたような気がする。
皆様からの励ましを胸に、歯を食いしばりながら面会に行っていた。
二度と同じことができる気がしないけど……。


何度も言うけど、受容はゆらぐ。
打ちひしがれ、ずぶ濡れになっている時には「止まない雨はない」と声をかけてくれた人が傘を持っていることにも嫉妬した。
全てを呪いたくなる日も、死にたくなる日もある。
けれど、雨はいつか止むのをわたしは知っている。だから大丈夫。
はる君に知的障害があるかもしれないという前回記事を書いたときは少々落ち込んでいたけど、今はすっかり元気を取り戻した。

夜明けはいつかきっと来るから
また日は昇るから

ブログタイトルである「夜明け前の心臓(仮)」にはこんな思いが込められている。

次回更新は、わたしの気分転換方法について少し書いてみようと思う。