小児病棟14日目【退院・夜明けの心臓】術後21日目
小児病棟14日目【退院・夜明けの心臓】術後21日目
2020/04/30
晴れた朝。
退院時病状説明
はる君が受けた手術と、今後のことについて主治医から説明を受けた。
今回受けたのは開窓TCPC手術+肺動脈形成術。
- 心収縮
- 弁の逆流
- グレンとフォンタンの血流
- 不整脈
- 酸素化
- 炎症反応
それぞれの現状を教えてもらった。
心収縮
良好だった。いい感じ!
弁の逆流
グレン・フォンタン循環の場合、弁の逆流は避けられない。
はる君の三尖弁(心房と心室の間の弁)の逆流は軽度のため、薬の内服と外来でフォローしていく。
グレンとフォンタンの血流
人工血管をつないだところの血液の流れは良好だった。
開窓部もしっかりと空いている。
不整脈
洞機能不全の疑いがある。
術後の一過性のものでなかった場合、徐脈(脈が遅くなる)や心不全が進めばペースメーカーを埋め込む必要が出てくるかもしれない。
現状、脈拍数は80〜100で安定しており、緊急に治療が必要なほどではない。
酸素化
酸素療法0.5L/分をしている状態で85〜87%くらい。
3〜6ヶ月後にカテーテル検査を行い評価する。
十分に酸素化機能があれば、その時に常時酸素は不要になるかもしれない。
(開窓部からの血流が多いので酸素は下がっている)
炎症反応
一時はCRP(炎症の値を示す)が7.9まで上がったが、胸水や心嚢部に水が溜まっている様子はない。
炎症を鎮めるステロイドとアスピリンの内服でフォローをしていく。
- 術後3ヶ月は胸部の打撲に気をつけること
- ワーファリン、アスピリンで血液がサラサラなので、頭部を強く打つと脳の血管が切れるおそれがある
- 術後は免疫力が低下しているので風邪・新型コロナなどの感染症にかからないよう一層注意が必要
手術をしてからちょうど3週間で退院できることになった。
これまで何度も苦難を乗り越えてきたけど、ようやくこれでひとつの区切りになる。
といっても特別なことがあるわけじゃなく、いままで過ごしてきた日常がこれからも続いていくだけ。
「いつか夜明けはきっと来るから、また日は昇るから」
ようやく夜明けが来たよ。
これからスタートだ、がんばろうね、はる君。