夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

病棟3日目【笑顔が見たいの】

2016/09/07

はる坊の「ん〜;」「んん〜〜;;」という苦悶の声で目が覚める朝。
これまでついていた酸素・点滴・心電図モニタ・パルスオキシメーターに加えて、VAC療法のチューブまでついてしまったので抱っこが大変。
(VAC療法については前回日記参照)
calmin.hatenablog.com
そういえば、グレン手術の後にはる君の笑顔を一度も見ていない。やっぱり傷が痛かったり熱が出たりでで辛いんだろう。
また笑顔が見られるの、いつかな。

珍しく病室の窓っていうかベランダに鳩がいた。

ポポー

エノモト先生(仮・イケメン)の回診。
胸の部分、陰圧がきっちりかかっている。
順調。
「昨日、傷口で悪い形になっている部分を削ったので、汁結構出てくると思う」
削ったんですか……(初耳)。
はる君は今日もエノモト先生を険しい目つきで見ていた。恨みは根深い….…のか?
(たまたま機嫌が悪かっただけだと思うけど。タマタマ)

VACのチューブを引っ掛けないように、ミトンをAmazonで買ったついでにアンパンマンのガラガラを買った。

しかし、はる君はガラガラを握りしめる事はできても、振り回して遊べる程の腕力はないのだった。どんまい。
アンパンマン ベビータンバリン

付き添い入院の良い所

はる兄二人には寂しい思いをさせてしまうけど、はる君一人にリソースを全振りできて素晴らしい!(家事もしなくて良いし(小声))

そして、ここには似たような難病を抱えた子供とその親しかいない。
「うちは左心低形成症候群でさー…」
「本当?うちもHLHSなの!」←実際いました
「この子は両大血管右室起始症」
「うち、エプスタイン奇形」
「無脾症候群で右心型単心室で大血管転移で大動脈縮窄なんだ」
こんな会話も繰り広げられる。

健常児の親だって育児に悩む事って沢山あるでしょ?基本的には同じような事で悩んでいるけど、その他にも色々難病児ならではの悩みがあって、“ならではの悩み”は健常児の親に相談出来なかったりするのだ。

風邪ひかせないように神経をとがらせている難病の子のお母さんに「子供は風邪ひかせてナンボだよ!本当、すぐ風邪ひいちゃうけど大丈夫。うちの子もそうだったわー」とか言っちゃう人は病院にはいない。
はる君もそうだけど、手術後は“風邪ひきやすく”“治りにくく”“悪化しやすい”状態にある。
ありふれた菌による感染が命に関わることもある事を知っているので、わたし達は外出ひとつにも気を付けている。
わたしも以前下記エントリーで、可愛い可愛いと触りたがるオバサマに消毒液を突き出す神経質なママになっている事を書いた。
calmin.hatenablog.com

乳児期を無事乗り切った難病の子供には、次に入園、就学が控えている。幼稚園で断られた話、保育園でお昼寝の時間だけ酸素吸入をお願いしたけど断られた話、近場の学校は受け入れへの理解がなく、遠い学校にやむなく通っているという話。

付き添い入院中はなんの気兼ねもなく、相談しあったり、辛いとき励ましあったり、がんばったねってお互いを称えあったりできて楽しいね。