夜明けの心臓

最重度の心臓病の一つである左心低形成症候群の息子の記録。手術・入院・通院の事や病気の情報など。あと雑記。

造影MRI検査入院・2(2022/01)

造影MRI検査入院・2(2022/01)

2022/01/12

心配しながらも昨日は帰宅し、久しぶりにひとりで布団で寝た。
家ではセミダブルの布団にはる君とふたりで寝ているので、昨日布団に入ったら冷たくてさみしかった。

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造影MRI検査

脳の造影MRI検査というのは磁気で身体を輪切りにした連続写真を撮るので、頭部を動かさずに撮影する必要がある。
はる君はまだ幼いので、検査は眠り薬・鎮静薬で完全に眠った状態で行う。

わたしが昼ご飯を食べて病院に着いたら、ちょうど眠り薬(エスクレという坐薬)を投与されているところだった。
トリクロリールシロップ(飲み薬、香りはバニラだが独特の味がするのではる君は苦手)を一回少量飲んだがダメだったので、2回目のエスクレを入れてる最中だった。

昨晩のはる君は問題なくひとりで寝付き、寝起きもよく、よく朝ごはんを食べ、テレビが見たいとせがみ、持参したタブレットでご機嫌にしていたと言われた。
さみしくて泣いていたらどうしようかと思ったが、杞憂だった。
昨日同室のお子様は「ママがいない〜」としくしく泣いていたが、当然だと思う。
しかしはる君は入院生活のプロで、保育園での生活経験も積んでいるので、お母さんがべったり付き添っていなくても平気なのである。
健気さに胸を締め付けられるが、成長を感じてうれしくもある。

酩酊しているような感じでウトウトしながら、じぶんで起きた、朝ごはんをひとりで食べた、と色々話をしてくれたが、すぐ何を言ってるのか聞き取れなくなり、じきに寝付いた。

それからなかなかMRI室が開かず少々待ちぼうけ。
個室に移動したので、眠るはる君を見守りながらTwitter。

持ち込んだ小説を読んだり、絵を描いて時間をつぶす。
小一時間ほどで帰ってきた。

検査後

待ち時間が長かったせいで少し覚醒してしまい、点滴で鎮静薬(ミダゾラム)を追加したので眠りが深く、全然起きてくれない。
あまり長く眠ると夜寝れなくなっちゃうので困るんだけど……。

おやつの時間になっても起きないので、揺さぶったりして少々強引に起きてもらった。
すると、意外と素直に「おはよう」と言いながら起きてくれたが、薬が残ってフラフラしている。
でも身体を起こしたいというので、ベッドに腰かけてずっと転倒しないように抱き寄せていた。

夕方の回診

これから放射線科の先生がさらに詳しく診てくれるらしいが、見た目ではほぼ何もなくなったと言われた。
先生は1〜2分ですぐ帰って行った。
多分本当に良くなっているから、特に言うことがないんだろう。

個室なので、部屋の中で夕飯を食べることができる。
はる君は酢豚、わたしは豆腐ハンバーグ弁当をそれぞれゆっくり食べた。

はる君、泣く

機嫌良く過ごしているな、と思ったが、夕方の薬を飲んだ後に「じゃあ、帰ろうか!」と言いはじめた。
なんだか雲行きが怪しい。
検査入院は明日まで、先生が帰ってもいいと言ったら帰ろう、と説得をこころみるが、はる君は「帰る!」と言って譲らない。

とうとう、大声をあげて泣き出してしまった……。
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普段、布団に入るのは21:30なんだけど、この病院の消灯時間は20:00。
しかも、昼間の検査で2時間以上寝ている状態なので眠くないのである。
これまで堪えていたのを全部吐き出すかのような勢いで泣いているが、泣いても怒ってもきょうは帰れない。

わたしは付き添いベッドに布団を敷いて、掛け布団をかぶって寝たフリをした。
すると、はる君は大声で「嫌だ〜!もう、帰りたい!」と叫ぶと布団をかぶった……と思ったら、頬に涙の跡を残しながらも、瞬く間に寝息を立てている。
その健気さと入院生活への適応力の高さに、これまでのはる君の経験してきた人生の壮絶さを思わずにはいられなかった。
泣いても帰れないことは分かっているんだろう。

予定通りなら、明日退院できるはずだ。
ごめんね、はる君。よくがんばったね。