通院記録(2020/12)
通院記録(2020/12)
2020/12/17
今年最後の通院記録です。
保育園に通い始めたはる君は、いまでは泣くこともなく笑顔で朝お別れできるようになった。
最近急におしゃべりが上手くなったのも保育園に通っている効果なのかもしれない。
心電図
泣いて困っていたのがウソのようにスムーズに検査が受けられた。
今回は不整脈は出ておらず、一安心。
診察室にて
はる君は診察室に入るなり、元気に「おはようございます!」と言えた。
シマノ先生(仮名)はにっこりしながらカルテに「おはようございますとハキハキ挨拶」と入力した。
心臓のエコー診をしてもらった。
開窓部はきちんと開いていてその役割を果たしていた。
人工血管の通りも良かった。
酸素飽和度も95~93%程と十分あがっており、とうとう夜間の在宅酸素療法も一回中止してみようということになった。
つまり、24時間酸素なしの生活!
来月の外来で血液検査を含めた検査をして、問題なければ在宅酸素療法が終了することになる。
4年弱もの間、毎日ずっと稼働していた酸素濃縮器を返却する日がもうすぐそこまで来た。
なんだか信じられないけど、もう酸素もいらなくなるみたい。
在宅酸素療法は医師の処方に基づいて行われ、その間は一ヶ月に一回の定期受診が必要となる。
それが終われば、外来診察の間隔ももっと開けることができるかもしれない。
夜寝る前に「はる君はもうカニューレ(酸素吸入のための管)は要らないんだよ」と言ってみたけど、「つけて寝る!」と言ってきかない。
結局酸素を流さずカニューレだけつけて寝た。長年の習慣はすぐには変えられないのだ。
今年もいろいろあったけど、フォンタン手術ができて良かったなあ。それだけで100点満点だ!
また来年もよろしくお願いします。
お別れ
はる君が保育園に行きはじめたことによって、別れがあった。
脳膿瘍治療の退院後に毎週来ていただいた訪問看護さんとのお別れだ。
訪問看護とは、看護師さんが自宅に訪問してくれて、病状に応じた看護を行ってくれるサービスだ。
はる君の場合は毎週のバイタルチェック(体温、酸素飽和度、心音チェックなど)と育児相談.…という名のわたしの話し相手になってもらっていた。
訪問看護についてはこちらが詳しい。
www.jvnf.or.jp
可児さん(仮名)にはる君はよくなついていて、絵本を読んでもらったり、おもちゃで遊んでもらったり、一緒にいるときはとても楽しそうにしていた。
わたしは可児さんにはる君を任せて、近所のスーパーで買い物をしたり、コンビニに行ってこっそり甘い物を食べたりさせてもらっていた。
一般的な訪問看護だと、サービス終了=亡くなることというのも少なくはない。
でも小児の訪問看護だと(はる君のように)病状が良くなってサービス卒業というケースがある。
本当は喜ばしいことなんだけど、いままでずっと面倒をみてもらっていたのでさみしい。
すごくさみしい。
通院記録(2020/11)
通院記録(2020/11)
2020/11/27
はる君は毎日「かあちゃん、きょうは何?」と聞く。
きょうはどこに出かけるの?と聞いているのだ。
予定がない日は公園で遊ぶ。
毎日すごく元気だ。
診察前検査
体重
体重* | 13.20kg |
4歳にしては軽いけど、正直抱っこはだんだんきつくなってきた。
成長、成長。
心電図
心電図、いままでは乳幼児用のシールで測っていたけど、今回は大人用の洗濯ばさみみたいなのと吸盤の心電図計を使った。
いままでになくスムーズにできた。成長を感じる。
レントゲン
名前を聞かれて自ら答えることができた!
いちいち成長を感じてうれしい。
いままではできなかったから……。
診察前検査の記録もそろそろやめようかな。
暴れた、大人しかった、ということをだらだらと書いていたんだけど、はる君はおにいさんになったので、検査もスムーズに受けられる。
診察室にて
今回は不整脈は出ていなかった。
レントゲンで肺の状態を確認したところ、肺もすっきりきれいになってきた。
心エコーで血流を確認してもらったが、よく流れているとのこと。
SpO2の値も良く、年明けに夜間酸素もoffにできる可能性が出てきたと言われた!
長らくお世話になった訪問看護が終了したり、心臓病児の保育施設に行くのも一旦お休みになったりと、書きたいことはたくさんある。
でもきょうはもうヘトヘトなので閉店しますね。
したっけ、また!
*1:酸素飽和度。血液の中に含まれる酸素の値。健康な人なら100〜99%
保育園内定しました
保育園内定しました
実は前々から保育園を探して動いており、この度無事に保育園内定の通知が来たのでご報告いたします。
もう家庭保育も限界が来ていたので本当にありがたい。
はる君のように基礎疾患がある子を受け入れてくれる園は多くない。
しかもこのご時世、わたしのように求職中で入れるか?と毎日やきもきしていた。
今回迷ったのは、
- 小規模でアットホームな雰囲気だが0歳児保育がなく、看護師がいない。園庭が狭く、階段での上下運動が多い。障害児保育ウェルカム。家から遠い。
- 大規模園でアットホームな雰囲気。園児の自主性を重視しており、決まったカリキュラムはない。看護師が居る。新設園で障害児保育の経験がない。家から近い。
この2園のどちらにするかということだ。
いや、正直、入れればどちらでも文句はいえない。
選べるなんて贅沢な話だと思う。
あき君の時もふゆ君の時も、保育園を選べた訳ではなかった。
第一希望は障害児ウェルカムの方で、今回内定が出たのはこの第一希望園だった。よかった。
つまり、家から遠く、看護師が居ない園。
でも、わたしだって別に看護師の資格はなかったけど育児はしていたわけで。
3ヶ月以内に仕事を探さないといけない訳だけど、わたしは本当~~~~に現状が辛くて苦しくて、とっとと兼業主婦になりたいので、ちょっといまウキウキしている。
自分の労働で金を稼ぎ、家のクリーニングを誰かにしてもらって、服を自分の金で買ってもらって、子どもの習い事に金をかけたい。
あと趣味も自分の金でやりたい。
忙しくはなるけど、楽しみ。
ただし、鬱がかなり重くなっており、社会生活に復帰できるかどうか不安。
精神障害者手帳の申請をしているので、場合によっては保育園も就労ではなく保護者の障害で申請することになるかもしれない。
それほど精神が悪化している。カウンセリングも始めたが、状況が変わらなければ好転しないのである……。
そんな感じです。
したっけ、また!
心臓カテーテル治療・3(2020/10)
心臓カテーテル治療・3
2020/10/28
バルーンカテーテルから一夜明けた。
はる君はすこぶる元気である。
カテーテル検査の場合は2泊3日で退院となるが、今回は治療のためもう1泊する必要がある。
新型コロナ対策のため、プレイルームで遊べないのが痛い。
いままではベッドの上でおとなしく過ごしてくれることが多かったのに、今回はベッドにいてくれない。
困る……。
ナースステーション前のテーブルにハロウィン用のフォトスポットが設置されていた。
保育士さん手作りの自撮り用アクセサリーがあったのでパチリ。
レントゲン
この日の検査はレントゲンだけ。
レントゲン室は小児病棟とは別フロアにあるので、一旦小児病棟を出ていかなくてはいけない。
嫌な予感がすると思ったけど、やっぱり。退院できると勘違いさせてしまった。
レントゲン撮影自体はスムーズにできたけど、小児病棟に戻ろうとしたところで床にひっくり返って怒り泣きしはじめた。
はる君が帰りたがって泣いてる
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年10月28日
あと1日の辛抱なんだ
ひょっとしてめちゃくちゃ良い子にしてたのは、良い子にしてれば早く帰れると思ったからなのか……?
幸い散歩は制限されていなかったので、部屋と病棟をぐるぐるぐるぐる何往復もした。
おもちゃが貸し出しOKなのは本当にありがたかった。
一回使う毎に返却して看護師さんなどのスタッフさんが都度消毒してくれるので安心だ。
何回も借りてお手数おかけしてごめんなさい。
夜の検温の時、すこし熱っぽかった(37.4℃)。無事に帰れればいいけど……。
2020/10/29
よく晴れた。
はる君はすっきりと目覚めて、すぐに「おさんぽ行きたい」と言うので、もう何十度目かの病棟さんぽに出かけた。
西の窓から富士山が見えた。
熱は下がっていた。
はる君はこれが気に入ったみたい。
入院中、保育士さんと療養支援士さんが一所懸命何かを作っていた。
できあがったのは小児病棟を探検するためのアイテムだった。
痛かったり辛い検査がある小児病棟で、少しでも子ども達が楽しめるように、退屈がまぎれるようにと、限られた空間と資材を使ってよく考えられていた。
本当に子どもの心に寄り添ってくれるようでうれしい。
療養支援士さんは、はる君が産まれた時からずっと支えてくれている。
採血の時に泣かなかったのも療養支援士さんのお力が大きかったんだろうと思う。
お待ちかねの退院許可が出た。
これでフォンタン後の評価カテーテル→治療カテーテルと終わったので、しばらくは入院はないだろう。
いままでずっと病院と家を往復するような生活だったから、なんだか逆に落ち着かないような気分だ。
実は保育園が決まりそうだ。…と言っても、運が良ければ、だけど。
シマノ先生(仮名)に「集団生活可能」という内容の診断書を書いてもらった。
不安は尽きないけど、これから新しい人生がはじまるよ。
退院しました!
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年10月29日
🏠┗(^o^)┓三🏥 pic.twitter.com/c7LT7NKBBv
心臓カテーテル治療・2(2020/10)
心臓カテーテル治療・2
2020/10/27
これはもう入院の時の宿命だけど、はる君は何度も夜中起きてはわたしを呼ぶので寝不足になった。
05:45 起床
早いって!…と思ったが、6:00が水分を摂れるリミットなので丁度よかった。
元気に起き出したはる君にお茶を飲ませて、早朝の病棟さんぽ。
08:00 鎮静剤
いつものエスクレ(浣腸)を入れるも、全然寝れない。
08:45 カテ室へ
なんと余裕のピース!
いってらっしゃい。
10:15 カテ室から戻る
もう帰ってきた!
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年10月27日
順調!
2〜3時間かかると聞いていたけど、かなり順調に進んで予定より早く帰ってきた。
今回は静脈系のみのカテーテルなので、安静にしている時間は4時間となる。
12:05 起きる
起きた〜
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年10月27日
しっかり起きたことを確認し、水分を摂っても吐かずにしっかり飲めていれば食事が摂れる。
朝ごはん抜きでお腹が空いていたはる君は、もりもりと昼食を食べた。
昼食のおにぎりふたつを平らげると、はる君はまた眠った。
前回のカテーテルでは穿刺部から出血して大騒動だった。
参考↓
今回はゆっくり寝てくれたので、止血がしっかりできた。よかった。
今回のカテーテル治療の概要
はる君の肺動脈は一部がくびれているので、
身体から肺へ戻る血流に左右差ができてしまっている。
今回の治療では、狭まった部分をバルーンで拡げる。
無事治療は成功し、血流は左右バランスよく流れるようになった。
今は血管の内側の壁が剥がれた状態(そういう治療)だけど、治るそうだ。
すごくスムーズにカテーテル治療が終わってよかった。
心臓カテーテル治療・1(2020/10)
心臓カテーテル治療・1
2020/10/26
数日前は11月下旬並みの寒さと言われていたが、この日は日差しがあり風もなく暖かだった。
きょうの入院はバルーンで肺動脈を広げるカテーテル治療のためだ。
はる君の肺動脈はノーウッド手術で形成された太い大動脈に押される形に狭くなっている。
フォンタン手術を行う際に肺動脈に人工布をあてて太く形成してもらったが、それでもなお細い。
今回はその左肺動脈をバルーンで拡張する。
前日たっぷり公園で遊び、昼寝もせず、はる君は昨晩ぐっすり寝て気力充実!という感じ。
家を出る前に「カテーテル治療するから(病院名)に行くよ」と声をかけると「ウン」と真剣な顔でうなずいた。
術前検査
病棟に着いたら検温、スケジュールの確認をして早速検査がはじまる。
まずは身体測定。
身体測定
身長 | 92.6cm |
---|---|
体重 | 13.15kg |
4歳半にしては小さいけど、病棟にいた看護師さん達がみんな「大きくなったねえ」と褒めてくれた。
レントゲン
外来では泣くのを無理やり押さえつけて撮ることも多いけど、泣かずに立位で撮れた。エライ!
エコー
昼食の後、超音波検査があった。
薄暗くて病棟よりあたたかいエコー室で検査をされているうちに、はる君はまどろんで、その内眠ってしまった。
エコーも当然、ばっちり撮れた。
心電図
痛くないのに、なぜか外来ではいつも暴れる心電図。
今回も構えてたのに、技師さんにお名前を聞かれると元気に「(本名)です!」と答えることができた!!
生まれて初めて、できた!!
これはうれしい……。
技師さんの言うことをよく聞いて動かずじっとしていたので、一発で心電図も撮れた。
え……すごい、ものすごく成長を感じる。
こんなにスムーズに検査ができたのは生まれて初めてだ、感動した。
まず、会話が成り立ってる!
いままでは話しかけられても無視か泣くかしていたのに、きちんと問いかけに対する答えが合っている。
採血
きょう一番驚いたのが採血の時だった。
採血で泣くどころか、歌を歌ってたとのこと
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年10月26日
(エ!?)
赤ちゃんのころからずっと病棟で寄り添ってくれた方がついていてくれて、タブレットでピタゴラスイッチを見せてくれると言う。
はる君は大好きなピタゴラスイッチを見ながら泣かずにがんばった。まさか、歌い出すとは思わなかったけど。
先生も看護師さんも、みんなはる君を褒めてくれた。
がんばったね、と言うと誇らしそうにしていた。
成長
本当にフォンタンの後、身体だけじゃなくて精神面でも大きく成長したんだなぁ……としみじみ感じる。
週に一度の母子分離の療育も楽しく通えている。
近い将来、保育園か幼稚園に通えることになるだろう(色々動いている)。
少しずつ、着実に育ってる!育ってるよ!
フォンタン・ハートTシャツ
今回着ていく服は前々から決めていた。
@issyo20 さんのフォンタンTシャツを着て入院に備えました!
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年10月26日
めちゃくちゃ評判が良くて、先生も看護師さんも欲しいって! pic.twitter.com/B3IpWe8Kck
このTシャツは期間限定ショップのこちらで買った。
本当に素晴らしいデザイン!
かわいくておしゃれで、見る人が見ればわかるようになっていて素敵。
いろんな人に見せて自慢しちゃった!
実は採血の時も話題になったらしく、はる君は自分でも「フォンタン、フォンタン」と言って胸のハートを指差していた。
最近覚えたてのしりとりが頭に浮かんだのか「フォンタン……あ、『ん』がついちゃった」と笑ったので、みんなも笑った。
期間限定ショップのため現在は販売されていないみたいだけど、ご要望があれば再販も検討されているとのこと。
入手されたい方はissyo さんのTwitterをフォローしてチェックするのをおすすめ!
…はる君の病院だったら、フォンタン患者さんいっぱいいるだろうし絶対売れると思うんだよね。
グレン・ハートや他の難病Tシャツやグッズもあって、どれもすごくかわいいよ。
近況
前回の記事で書いたとおり、日中の酸素を卒業した。
でも、はる君はずっとカニューレ(酸素を吸うための医療用チューブ)をつけっぱなしの生活をしていたので、外すのをすごく嫌がる。
仕方ないので、顔からは外さずまるめて背中に養生テープで貼りつけたりして過ごすこともある。
カニューレを外して外を散歩した。めちゃくちゃ暑いので少しだけ。
こうしていると、普通の子どもと変わらない。重い心臓病があるなんて見た目ではわからないだろう。
念願の直火焼肉に行ってきた。
誰も教えてないのに、焼いた肉をタレにつけたのをご飯にバウンドさせて食べていた。
なぜ。
正直言って、もうはる君のことについてこれ以上書くことはないのかもしれないな……。
と一瞬だけ思ったけど、全然そんなことはなかった。
はる君は左心低形成症候群として生まれて、何回も手術をして、合併症で入院して、でも、生きてる。
その経験を綴ることが誰かの支えになるかもしれない。
頻度は下がりますが、これからもブログは続けていこうと思います。
人生だって、これからも続くのだから。
通院記録(2020/09)
通院記録(2020/09)
2020/09/18
ご無沙汰しております。
夜間酸素が続いているおかげで、こうして最低でも月に一回は更新できます。
はる君はすこぶる元気です。
近況については別途エントリ書きます。
診察室にて
心電図…一か所脈が飛んでいた部分があったが、以前よりは不整脈は減った。
酸素飽和度…93パーセント。
レントゲン…肺がすっきりし、心臓も少し小さくなった。
カテーテル検査の結果で外科・小児科でカンファレンスを行った結果、近いうちに肺動脈の狭窄部をバルーンで広げることになった。
スケジュールが空いていて10月に行えることになった。
何回も言っていることだけど、左心低形成症候群の子は大動脈をノーウッド手術で太く形成するため、その大動脈に肺動脈が押されてつぶれがちになってしまうそうだ。
もう十分元気に思えるけど、もっと元気になるための治療だからね。がんばろうね、はる君。
今回issyoさんのフォンタンTシャツを着ていった。
twitter.com
先生も欲しいって言ってたよ!
ありがとう、issyoさん!
心臓カテーテル検査の結果(2020/08)
心臓カテーテル検査の結果(2020/08)
フォンタン手術をしてから3ヶ月が経った。
今回のカテーテル検査ではフォンタン循環が成り立っているか、肺血管の状態はどうか等、普段の外来診療では確認できない部分を診る。
心収縮
心臓の機能、血液を吸い込む力と押し出す力がどうか?を調べてもらった。
心拍出量も良く、三尖弁・大動脈弁の逆流も少なく、心機能は良好とのことだった。
肺動脈
肺動脈は前回の手術でパッチをあてて太く形成してもらった。だけど、まだ細いようだ(3~4mm→5mm)。
肺動脈の圧、中心静脈圧は低く保たれている。
開窓部
はる君は右房と人工血管との間に穴が開いている。いわゆる「穴開きフォンタン」だ。
これは大泣きしたり、ふんばったりして圧力がかかったときに、穴から余計な圧力を逃すためにある。
開窓部はしっかり開いており、問題なさそうとのことだった。
試験的に開窓部をバルーンで閉じてみたところ(閉窓試験)、本来ならSpO2*1が100近くになるはずが、89%くらいに留まっていた。その理由は次の項目で。
肺動静脈瘻
肺から戻ってきた血液の酸素飽和度を調べたところ、89%だった。肺のガス交換が上手くいっていない。
右肺の肺動静脈瘻(はいどうじょうみゃくろう)のため、肺の酸素化の機能が下がっているからだ。
肺動静脈瘻は最後の手術がフォンタン手術となる子どもで、グレン手術後の状態が長く続いた時に起こることがある。
肝臓からの因子が関係しているようで(仕組みは解明されていない)、フォンタン手術によって肝臓からの血流が肺に流れるようになれば改善される可能性があるそうだ。
肺動静脈瘻については、改善を待つしかない、とのことだった。
それでもフォンタン後は全身の酸素飽和度がぐっとあがったから、はる君的には身体も楽になっただろう。実際、すごく元気になったしね。
脈
フォンタン後に発生した不整脈が心配だが、今回のカテーテル検査中は脈は正常だったとのこと。
ただ24時間の心拍モニターをしたら、ところどころ不整脈が出ていた模様。
今すぐに何か処置が必要な感じではないが、経過を見ていくことになった。
薬
利尿剤が減り、体重増に伴ってエナラートが少し増えた。
アスピリンとワーファリン(両方血液サラサラ薬)は増減なし。
肺高血圧薬のアドシルカもそのまま。
血液検査の結果貧血が見られたため、フェロミア(鉄剤)が追加された。
今後の方針
今回の検査結果は外科も加えてカンファレンスにかけられ、今後どうするか次回の外来で伝えてくれることになった。
肺動静脈瘻は改善を待つしかないが、肺血管の細さについては今後なんらかの処置が必要になるかもしれない。
方法としては、バルーンで肺血管を広げることと、ステント(金属でできた筒状の網)を肺血管に置くことが考えられる。
在宅酸素療法について、日中は免除、夜間は継続となった。
正直、このことが一番うれしかった。どこへ行くにも重いボンベをかついで移動するのは大変だったから……。
何度も言っているけど、フォンタン手術後在宅酸素が終わったら、みんなでお祝いに焼肉に行こうと言っていた。
これでようやく願いが叶う。
そういうわけで、今日は在宅酸素日中卒業祝いパーティーの焼肉に行ってきます!
*1:酸素飽和度。血液の中に含まれる酸素の値。健康な人なら100〜99%
心臓カテーテル検査・3
心臓カテーテル検査・3
2020/08/19
きのうは結局夕飯を食べずに寝てしまった。
夜中何度も起きたのでわたしも疲れた。
朝、右の鼻から鼻血が出た。屈強な看護師さんが5分くらい押さえてくれて割とすんなり止まってくれた。
会計待ちの間お散歩してたら、左の鼻からも鼻血が出た。まあまあの勢いで出たので、わたしの手が血に染まった。
また5分押さえてもらって止まったけど、立て続けになんだ?
主治医の先生も首をひねっていた。普段はほとんど鼻血は出ない。
もし出血がなかなか止まらなかったら電話で相談するように、と言われた。
退院事務は滞りなく終わり、スムーズに退院できた。
🏠┗(^o^)┓三🏥
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年8月19日
日中の酸素終わりました! pic.twitter.com/n0B7CroPnq
鼻血が出た時にカニューレをむしって取ったのですっきりとしたお顔。
貧血
病状の説明の時に、貧血だという指摘があった。が
ヘモグロビンの値(貧血/多血を示す指標、基準値は13.1~16.6g/dl)が10g/dl程度だったから。
きのうの夕方、穿刺部から出血をしたので、けさ再度血液検査をしたところ、9.8g/dlまで下がっていた。
完全に貧血である。
食事も普段通り食べていたつもりなんだけど、鉄分が足りなかったみたい。食が細いんだよね。
鉄剤が処方されることになったのでがんばって飲んでもらおう。
ちなみにフェロミアという顆粒のおくすり。とんでもなく鉄臭い味で飲みにくい。
念願の……
前から度々言っていたけど、在宅酸素療法は火気厳禁である。当たり前、当たり前。
これからは重たいボンベを背負って外出しなくてもいいんだと思うと、心まで身軽になったみたいだ。
それから、これで念願の焼肉屋さんに行ける!いままでは危なかったからね。
フォンタン後に焼肉屋さんでお祝いするのを楽しみにしていたので、近いうちに行こうと思う。
次回更新は今回の病状説明の内容です。
心臓カテーテル検査入院・2
心臓カテーテル検査入院・2
2020/08/18
まさか、こんなに波瀾万丈な1日になるとは思いもしなかった。
はる君の体力が爆上がりしたのと、自我が強くなったことが原因か。
05:20 起床
実は2時に尿が漏れて起きていた。
眠い(入院の時、毎回言っている)。
07:10 朝食
通常の食事は8時だが、食事止めの時間が7:30のため軽食が出た。メニューはロールパン、ジャム、リンゴジュース。
パンはあまり食べなかったので、売店で買ったおにぎりを食べた(持ち込み食可能なので出来た)。
07:30 食止め
これ以降は検査終了まで固形物は禁止となる。
07:50 検温等
検温、酸素飽和度測定、血圧測定など。
10:30 水分止め
15cc麦茶を飲んだ。これ以降は水分摂取がストップになる。
脱水にならないよう点滴が入る。
11:40 寝てしまった
朝早かったので寝てしまった。
お腹が空いて泣くよりはいいかと思い、そのまま寝かせることにした。
14:10 エスクレ(鎮静剤)
14時少し前に起きてしまった。案の定、お腹が空いたと泣くのがかわいそうでツラい。
…が、すぐに看護師さんがやってきた。そろそろ出番だと言う。
いつもの鎮静剤(座薬)を入れて準備完了。
14:20 カテーテル室へ
カテーテル室へ。長い昼寝から覚めたばかりで鎮静剤が効いてる感じはしない。
「おさんぽしたい」と泣いていたので、すんなりカテーテル室へ向かった。散歩と違うけどね。
16:20 カテーテル室から戻る
ちょうど2時間で帰ってきた。
17:30 起きる
起きたので少量の水分を摂り、吐かないようならご飯が食べられる。
「なんかのみたい、なんかのみたい」と喉の渇きを訴えるので、売店にジュースを買いに行った……ところで事件は起こった。
17:45 穿刺部から出血
戻ったら主治医と看護師さんがはる君を押さえつけていた。
はる君は血まみれ。先生も看護師さんも血まみれ。
先生は鼠蹊部を手で押さえている。
その場所から今もどくどくと出血している。
焦るというより、血の気が引いて妙に冷静に血が噴き出すのを見つめてしまった。
大人4人がかり(先生、看護師さん、わたし、夫)で押さえた。とにかく出血を止めなければ。
穿刺部が鼠蹊部だったので血を吸ってずっしり重そうなオムツ、血に染まったシーネ(固定する板)、病衣、シーツ……を見ていた。
暴れるのがおさまらず、ミタゾラム(鎮静剤)を入れてもらってなんとか鎮まったけど寝るまでには至らず。
結局20分近く押さえてもらってようやく出血は止まった。
はる君はアスピリンとワーファリン、2つの血液サラサラ系お薬を飲んでいるので出血が止まりにくい。本当に止まりにくいのを今回実感した。
出血が止まるのは、血液の中にある血小板がひっつきあってフタを作るからだ。
アスピリンは血小板が血栓を作る作用を邪魔する働き(抗血小板剤)、ワーファリンは凝固因子が生まれるのを邪魔する働き(抗凝固剤)がある。ワーファリンの方がパワーが強いそうだ。
ああ、本当にびっくりした。
18:20 病状説明
内容については明日の更新で。
18:40 夕食
止血のために、6時間は安静にしなくてはいけない。
その間固定具をつけているため、座ってご飯を食べることはできない。
でも、はる君は「座って」「ひとりで」ご飯が食べたいのである。
またここでもはる君は暴れた。
リンゴジュースが飲みたいというので、再び買ってきた。
それを勢いよく飲み干して、そして、吐いた。
吐いた直後にまた飲みたがるのをなだめすかし、しばらく時間をおいてからまた飲ませた。
抱っこした瞬間、また吐いた。わたしの背中に吐いた。
これは鎮静剤のせいだと思うので、これ以上無理に夕飯を食べさせず寝付かせることにした。
寝ました……
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年8月18日
妙に長い1日が終わった。
とりあえず、フォンタン循環は成り立っていた。なによりうれしい。
明日、退院予定。
したっけ、また明日!
心臓カテーテル検査入院・1
心臓カテーテル検査入院・1
2020/08/17
連日の猛暑&新型コロナの蔓延のため、毎日ひきこもって過ごしている。
きょうはフォンタン手術の評価のためのカテーテル検査入院。
結果次第では、現在生活に大きく制約をかけている24時間酸素吸入が終わるかもしれないから期待している。
身体測定
身長 | 91cm |
---|---|
体重 | 12kg |
ようやく12kg台に!
レントゲン
いつも寝かせて撮るので、今回もそうしようとしたらはる君が「立って撮る」と言い出した。
が、靴を履かせてなかったので立位で撮れずじまい。やる気だったのにすまんな。
心電図
今回は「くすぐったい」と言いながらもにこにこ、大人しくとらせてくれた。いいぞ!
採血
不思議なことに採血でまったく泣かなかった!
きょう一番びっくりした。成長したね!
採血、一滴の涙もこぼさなかった!!
— CALMIN(カルミン) (@CALMIN_PDH) 2020年8月17日
エライ
目的
今回のカテーテル検査はフォンタン手術後の評価のために行うが、具体的には
- 肺動脈の圧力が適切か
- 肺動静脈瘻がどうなっているか
- 心臓のポンプ機能がどうなっているか
…を見ていくことになる。
現在は24時間酸素吸入をしているが、酸素飽和度が十分に高ければ、オフにしてもいいと判断されるかもしれない。
何度も言っているけど、在宅酸素療法が終わったら、みんなで焼肉を食べに行こうと思う。
検査は明日。良くなっていますように……。
通院記録(2020/07)
造影MRI検査入院から帰ってきて即また病院へ。
通院記録(2020/07)
2020/07/17
連休前のせいか、病院がものすごく混雑していた。いつも使っている第一駐車場が満車になっている。
待ち合いで暴れるはる君
心電図
前回は不整脈がなくなっていたが、今回はどうだろう。
徐脈(脈が遅くなる状態)も気になる。
レントゲン
いままで寝かせて撮っていたが、今回は立って撮れた!がんばった。
診察室にて
予定時間より遅れて診察に呼ばれた。まあ、時間通りに入れることのほうが少ないが。
心電図の結果
残念ながら、不整脈が再び出現していた。
造影MRI検査入院の時に出ていた徐脈とも関係している可能性大。
だけど、現状何かできることはない。
モヤモヤするけど、仕方ない。
集団生活について
新型コロナのため療育園もずっとおやすみだったが、最近少しずつ再開し始めている。
はる君も集団生活の許可が出たので、落ち着いたら療育を再開するつもり。
カテーテル検査
フォンタン手術が終わってから3ヶ月が経った。
前から3〜6ヶ月の間に術後の評価カテをすることは知らされていた。
今回不整脈も出てきたこともあり、来月カテーテル検査が決まった。
検査の結果によっては、今24時間行なっている酸素療法が終わるかもしれない。
そうなってくれるといいな。
したっけ、また!
*1:酸素飽和度。血液の中に含まれる酸素の値。健康な人なら100〜99%
造影MRI検査入院・2
ここのところの寝不足がたたってしまい、ブログを書く前に寝てしまった。
この記事は循環器外来に行く途中の車中で書いている。
造影MRI検査入院・2
2020/07/16
しばしばあることだけど、全然眠れなかった。
2時間毎に起こされるのが朝6時まで続いた。
さすがに疲れてしまった。
造影MRI検査結果
検査結果の説明を受けた。
左が前回1月の結果、右が今回の結果。
うん、全然違いが分からない。
再発の兆候なし、という結論だった。
このフォローは数年は必要になるという。
はる君のフォンタン手術が終わったことにより、再発のリスクはさらに下がったはずだ。
脳膿瘍が分かった直後の写真と比較するとこうなる。
あらためて見るとめちゃくちゃ怖いね……。
次回の造影MRI検査入院は来年1月の予定だ。
今回も再発の兆候なし、順調だった。よかった!